技能ビザ(外国料理の調理師)は、インド料理や中華料理、フランス料理等の外国人調理師が日本で働く際に必要な在留資格です。

技能ビザ(外国料理の調理師)の要件

在留資格該当性

技能ビザの在留資格該当性については、次のように規定されています。

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」

この中で「熟練した技能を要する」とは、「個人が自己の経験の集積によって有することとなった熟練の域にある技能」を必要とすることを意味しており、この点で「技能」の在留資格に該当する活動は、特別な技能、判断能力を必要としない機械的な作業である「単純労働」とは区別されています。

上陸許可基準

さて、技能ビザ(外国料理の調理師)を取得するためには、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬をうけることとされており、調理師の場合には、さらに、次の「上陸許可基準」が定められています。
技能ビザ(外国料理の調理師)の上陸許可基準

料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務に従事する者で、次のいずれかに該当するもの
 当該技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者
 経済上の連携に関するタイ王国との間の協定附属書7第1部a第5節1(c)の規定の適用を受ける者


これらのことを踏まえると、調理師として「技能」の在留資格を取得するためのポイントは、次のとおりとなります。
ポイント

行おうとする活動当該在留資格に該当するのかどうか
日本人が従事する場合に受ける報酬同等額以上の報酬があるか
③採用する外国人に10年以上の調理師としての実務経験があるか
採用する企業側の事業の適正性継続性安定性はあるか


採用予定の外国人に10年以上の実務経験があるか

まず、日本の外国料理店で外国人の方が調理師として働くには、外国特有の料理・食品に関し、その調理や製造について「10年以上の実務経験」が必要になります。

この10年の実務経験は絶対的なもので、どんなに素晴らしい調理技術があったとしても、実務経験が10年に満たないと在留資格を取得することはできません。

実務経験の証明については、勤務していたレストラン等から「在職証明書」を取得することにより証明することになります。

在職証明書には、在職先の住所電話番号在職期間等を明記し、証明者のサインと職務上の地位を記載してもらってください。

また、在職証明書はレターヘッド付のものが望ましいです。

近年、在職証明書を偽装するケースがあり、在職証明書の信憑性が疑われるケースが多発していますので、在職していた際のレストランの写真(外観、客席、厨房、申請人が写っている様子等)と従業員名簿(名前、入社日、職務上の地位等を記載したもの)を一緒に提出するとよいでしょう。

必ず、全ての書類との整合性があるかどうかを確認してください。

整合性がないと、書類の信憑性に疑義があるとして、不許可となってしまう可能性が高くなります。

日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬があるか

外国人労働者だからといって、安い賃金で働かせるわけにはいきません。

日本人の方を雇い入れる場合と同様の賃金が必要とされます。

具体的に金額をいくらにすべきとの基準はありませんが、調理師の場合、少なくとも18~20万円程度の賃金を支払う必要があります。

また、既に、外国人調理師を雇用している場合には、その調理師に適正な賃金を支払っているか、良好な職場環境を与えているのかも必要です。

ごく稀に、在留資格認定証明書交付申請の際に提出した雇用契約書の賃金より実際には低い賃金しか支払っていないケースもあります。

理由があって、きちんと入管に報告している場合には了承される場合もありますが、勝手にそのようなことをしていると、いい加減な労務管理をしている事業者として、その調理師本人だけでなく、他の方のビザ申請にも影響しますので、適切に労務管理をする必要があります。

採用する企業側に事業の継続性や安定性があるか

お店は、適切に外国人調理師を雇用するにふさわしい店舗構成が必要になります。

料理のメニューについては、その国の本場のものである必要があります。

中華料理店であっても、ラーメンと餃子しかないようなお店では、中国人料理人を招聘することはできません。

また、5,000円程度以上のコースメニューがあり、かつ単品料理も存在している必要があります。

座席数については、カウンター席も併せて30席程度の客席があり、貸切パーティーや宴会ができるような広さがあればなお良しです。

内装や飾り付けについても、その国の雰囲気が出るものにすべきでしょう。

インド料理店の場合には、タンドール釜は必須となります。タンドール
申請する際には、レストランの厨房や客席、外観、コース料理の写真を提出するとよいでしょう。

もちろん、飲食店ですから「飲食店営業許可」の取得は必要です。

次に、安定性及び継続性についてです。

安定性及び継続性の観点からは、事業者の売上利益の多寡組織形態(法人か個人か等)、組織規模(従業員数)、設立年度(古くから営業しているのか)などが重要となります。

新しく事業を始める場合には、事業計画書において、具体的な根拠を示した売上や利益計画を提示する必要があります。

そして、事業主として継続安定して経営が続けられるだけの資金力を備えている必要があります。

単に赤字というだけで許可が下りないということではありませんが、何年も赤字が続いているようだと、新しく外国人調理師を雇用したところで、きちんと給料を支払えるのかという疑問が生じます。

実際に、給与が支払われなくなるという事例もありますので、そのような事業主に、外国人調理師に対するのビザを下ろすのは当然ながら、入国管理局も慎重になります。

個人事業主の資産や法人の内部留保が十分にある場合には、許可されることもありますが、そもそも、外国人調理師を招聘する必要性に疑義が生じるため、なかなか難しいものと考えておいた方がよいと思います。

技能ビザ(外国料理の調理師)申請 幣事務所業務報酬について

技能ビザ(外国人調理師)取得サポートの内容

① 外国人雇用及びビザ取得コンサルティング
② ①に基づく申請スケジュール及び必要書類リストの作成
>> 主な必要書類はこちら
③ 出入国在留管理局との事前相談及び提出資料の収集・作成
④ 申請書及び申請理由書等の作成
⑤ 出入国在留管理局への申請書類の提出
⑥ 追加資料提出通知書に関する対応(理由書・説明書の作成等)
⑦ 出入国在留管理局での在留カードの変更更新手続き(変更・更新の場合)
⑧ 次回の更新、永住ビザ取得に向けたのアフターフォロー
⑨ 万一、不許可・不交付の場合、追加費用なしで再申請


基本プラン

業務名報酬額 (税込み)
申請手数料
外国人雇用・ビザに関するご相談8,800円/回
ご相談料は、後にお手続のご依頼を頂いた場合には、下記報酬額に充当させて頂きます。
在留資格認定証明書交付申請
110,000円

技能ビザ(外国人調理師)への在留資格変更許可申請
99,000円
4,000円
在留期間更新許可申請(通常事案)
55,000円
4,000円
在留期間更新許可申請(転職事案)
88,000円
4,000円
理由書・事情説明書のみの作成
33,000円
・上記はあくまでも基準金額となります。案件の難易度や業務量により、金額が増加することがございます。
お話しを伺ったうえで、事前にお見積もりをさせて頂きます。
下記追加報酬事案を参考にしてください。
・同時に複数のご依頼を頂いた場合の割引制度もございます。
・業務着手時に報酬額の4割相当額を頂戴いたします。
着手金につきましては、万一、不許可となった場合であってもご返金できませんので、予めご了承ください。
再申請につきましては、追加報酬なしにさせて頂きます。
>> 不許可となった場合の対応についてはこちらをご覧ください。
外国文書の翻訳費用印紙代等の実費は、別途ご負担いただきます。

追加報酬事案(一例)

追加報酬事由
追加報酬額
不許可・不交付からの再申請+33,000円
出入国在留管理局の担当審査官からの不許可理由の確認や不許可判断を覆す資料の収集・作成が必要となるため
>> 不許可となった場合の対応についてはこちらをご覧ください。

新規事業による採用の場合+33,000円
新規事業の事業計画書及び収支予算書等の資料が必要となるため(事業開始後1期目を迎えていない会社も含みます)
家族が帯同の場合(1名につき)+22,000円
家族滞在ビザを同時に申請するため
短期滞在ビザからの変更+33,000円
短期滞在期間中に在留資格認定証明書の交付を受けてから変更許可申請をする必要があるため
スピード申請(ご依頼から1週間以内)
+33,000円
書類を滞りなくご準備頂けるお客様に限ります。

外国人の雇用をお考えの方へ

少子高齢化による人手不足やグローバル化の進展により、
外国人の雇用を考えている事業者様が年々増えてきています。

しかし、外国人の雇用にあたっては、外国人の在留等に関する法律である入管法の理解が欠かせません。

いかに優秀な人材であっても入管法の要件を満たさなければ雇用することはできませんし、雇用した後も法律に則って正しく外国人雇用を維持しなければなりません。

弊事務所では、外国人労働者を雇用したい事業者様のために、就労ビザに関するお手続きをサポートしております。

ですので、まずは一度、行政書士にご相談いただければと思います。